2016/12/18

☆シリウス

北風で耳が冷たい

それでもわたしは 深い森の中を歩き続けた


君はいま どこにいるのだろう

暖かな場所で 穏やかに眠っていることを祈る


突然木が途絶え 頭上を遮る物がなくなった


澄んだ空には 散りばめられた星々

その中で 一際輝く星がひとつ


いつでも すぐに見つけられるほどに強い光

青白色の冷たさと裏腹に 他より高い熱量で燃えている

わたしは そんな星が好きだった

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2016/09/11

★白鷺

定まらない足元

吊り革に身体を預け 眺める車窓

陽はまだ高く 空には綿雲


風が走り 青い田に波が起こる

鷺が一羽 稲穂の海を飛び立った


雲の頂めざして 昇ってゆくのを

見えなくなるまで 追いかける


広げた翼で もっと高く飛んでゆけ

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2016/03/06

☆梅の香

お元気ですか


最後に会ったのが いつだったのかも

思い出せなくなってきました


覚えていようと決めた 声の記憶だって

曖昧になってきました


それでも ふとした時に

あなたのことを思い出すのです


明け方 漂う花の香りが

忘れたくない人に気づかせる

春は不思議な季節です

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