2013/11/16

☆持ちもの

持っているものを失うことは

はじめから持っていないのよりも苦しいこと


しかも 持っているものは

自分で手に入れたものではなくて

はじめから与えられていたもの


たまたま そこに生まれたから

たまたま そこにいたから


手放すのは怖いけれど

いつかは絶対 必要なこと


そして今度は自分の手で

取り戻せばいい


そうしたら自信をすこし持てる

そんな気がする

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2013/09/23

★玉簾

季節の継ぎ目を教えるように

長い雨が降った


ひっそりと咲く花の白さは

仄暗い草むらで際立っている


たとえ雨に打たれても

光の差さない世界でも

真白な愛を あなたに捧げる

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2013/05/12

☆北風と太陽

光を透かして 若葉が揺れる


ひんやりとした空気が

じんわりと暖かくなっていく

この季節がいちばん好きだ


着込んだ上着を脱いで

手袋を外し

ストールをほどいて

心もいっしょに軽くなっていくから

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2013/05/05

★藤花

幾重にも重なる 薄紫の花衣


それは数多の蝶にも見えて

強い風が吹いたら

一斉に飛び立ってしまいそうだった


微かな風でも揺れる たおやかな花房


触れたら この腕の中に落ちてきそうで

捕まえようとすると するりと逃げてゆく

残された甘い香りに 心奪われている


少しでもあなたに近づきたくて 腕を伸ばす


衣の袖だけでも

触れていられればいいと

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2013/03/16

☆ホトケノザ

Rimg4042_2春は 梅の香のように
流れ込んできた

雨風で散った 梅の代わりに
足元の小さな花たちが 次々とほころぶ

鳥も光も 世界まるごと
待ち望んだ季節に躍っている

目に見えなかっただけで
絶えずそこで時を待っていた


わたしからあなたへ
この岸辺から捧げるのは 祈り

昨日より今日 今日より明日
喜びが増えるように

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2013/03/11

★フリージア

わたしは過去に

囚われていたのかもしれない


目の前にある

君の無邪気な笑顔が教えてくれた


ただひたむきに 君を想おう

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2013/01/19

☆雪原

広い大地に降り積もった雪

これだけの白さなら

わたしが抱えた鉛も涙も

すべてうずめて

土の中へ溶かしてくれるだろうか

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